【風呂美】参加者とプロジェクトメンバーを募集しています


どうも、染谷です。
梅雨入りした東京の自宅から投稿します。

皆さんの住む町はいかがでしょうか。
こちらは猛暑日から急に気温が下がり、強く冷たい雨が降っています。


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さて、先日森さんがブログを更新してくれましたが、
ギンガクは夏に向けて【プレイ・タウン2014】と【風呂美2014夏】の参加者募集を開始しました。
今日は私が担当する【湯田温泉峡風呂美術大学2014 夏】 通称:風呂美についてのご紹介をしようと思います。

風呂美のはじまり

まだギンガクが演劇の合宿のみを企画していた頃、演劇に携わる学生はもちろん、これまで演劇をしたことがない人達…
日頃絵を描いている美大生や、文芸を専攻する学生、民俗学を研究する大学院生、大学時代は表現に関わっていたけれど今はフリーターをしている人など
演劇というジャンルを超えた人達が西和賀町に集まり、日頃演劇に携わる人達と一緒に上演作品を制作・発表していました。
そんな参加者から合宿を終えた時に
「楽しかったけど、この町で演劇だけじゃなく、自分たちが普段学んでいる美術のこともやりたい」
「もう一度この町に来て、今度はものを作りたいな」
という意見が寄せられました。

「この町で美術のことをおなじ年代の人達と一緒に考えたり、作れたらきっと楽しいだろう」
そんな考えから町の温泉旅館組合と協働で立ち上げたのが風呂美のはじまりです。

でも、学生だけが楽しいだけじゃギンガクではありません。

ギンガクは地域振興と若者の表現活動の支援を目的とする事業です。
それに、西和賀町には「銀河ホール」という立派な演劇専用の劇場があり、ほとんどの町民の皆さんは
演劇に触れていて劇場に行き慣れているというものすごい町なのですが、
美術についてはこれまでになにかプロジェクトが行われていたわけでもないし、人が集まる場所として機能している劇場のようなハードもない。
どうやって西和賀町に美術を使ってつながっていけばいいのだろう…、と毎日毎日唸りながら企画を考えていました。
そして、風呂美プレ開催の募集チラシが完成したのです。





Sは美大生なりに考えて、東北の温泉旅館で風呂掃除をすることにした。

岩手県には、秋田県との県境に西和賀町という町がある。
この町には、山峡の町の例にもれず温泉旅館がある。

西和賀町の存在を知った美大生Sは、この町に全国の美大生を集めて何かやりたいと思った。
Sは美大生なりに絵を描いたりモニュメントをつくったりすることを考えた。
そこで大学の先輩であるMに相談した。
Mはめんどくさそうに言った。
「そんな役に立たないものをつくるより、旅館の風呂掃除でもしたほうがましだ」
Sは美大生なりに(どうして自分たちがそんなことを)と思った。
しかしSは一方で(風呂掃除を〈そんなこと〉と思った自分は何様なのか)とも思った。
Mは無責任に続けた。「掃除は美化だから、〈美術=美化する術〉ってことで掃除したらいい」
Sは反論した。「風呂掃除のために岩手まで来る美大生はいない」
「だったら掃除した後、そのまま風呂場をインスタレーション作品にでもしたらいい」

Sは美大生なりに考えて、それを実現してみることにした。
まず、参加する美大生をチーム分けして、会場となる旅館を割り振る。
それから、その旅館に格安で数日間滞在させてもらい、清掃と作品化をおこなう。
そして入場券がわりにタオルを販売し、町民や宿泊客に湯めぐりをしてもらう。
企画には「風呂美術大学」というふざけた名前が付けられた。
考えたのは、言うまでもなくMである。

ちなみに、この町には美術館もある。



なんとぶっちゃけた募集チラシだ…!!!
言うまでもなく、美大生のSというのは当時学部2年の染谷であり、大学の先輩のMというのは
同じ大学の修士課程を修了し、京都に住み始めた森さんのことです。(今は西和賀町に住み、働いています。)
このように企画委員の皆さんから叱咤され、ともに考え、助けてもらい
2013年の2月にプレ開催を迎えました。

同年8月には町内にあるダム湖錦秋湖に沈んだ集落を再び浮かび上がらせるというイメージで家のかたちをした灯篭をつくり、ダム湖に放流したり、
今年2月には町に伝わる民話を基にシルクスクリーンを用いてオリジナルの手ぬぐいを全て手刷りで製作・販売をしてきました。
これまでの3回にわたって、山形・宮城・埼玉・東京・京都とさまざまな地域から美大生や美術に関わる若者が参加して
ともに考え、つくって、お風呂掃除をして、ご飯を食べて、温泉に入って、またつくってきました。


そして第4回目となる今回の風呂美は

銀河ホールの裏にある夏にだけ出現する湖畔ステージで、流木を素材とした巨大オブジェの公開制作に取り組みます!
今年は錦秋湖が完成して50年(!)のメモリアルイヤー。50年という時の重みに負けじと とにかく馬鹿にスケールがでかいものがつくりたい!!
今年の風呂美は、とにかくハジけていきたいと思います。グイグイいきます。
この夏、大学のこともバイトのことも一切忘れて、西和賀町で一緒につくることに熱中する時間を過ごしませんか?
参加者どしどし募集中。いつでもご連絡お待ちしています。〆切は6月30日まで!


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さいごに

参加者と併せて、プロジェクトメンバーも募集中だったりします。
企画担当者である染谷と、ギンガクの企画委員と一緒に風呂美の企画・運営を行うメンバーを募集中です。
合宿期間中はもちろん参加者と一緒に作品制作に励みますが、プロジェクトメンバーはもう一歩踏み込み、

どうやったらもっと風呂美が面白くなっていくだろう?
学生だけではなく、町の人にも楽しんでもらうためにはどうしたらいいだろう?
美術を通して、どうやって社会に関わっていこう?

などなど、制作の業務も行いつつ一緒に考えて活動してもらいます。
これまでプロジェクトメンバーを務めた参加者の中には
風呂美での経験から現在は豊島に暮らし、瀬戸内国際芸術祭に関わる仕事に就職した人や ラジオ局に就職し、地域の情報発信に携わっている人もいます。














ギンガクの企画【放課後のちいさな芸術家】で西和賀町の学童で小学生向けにWSを行っていた村上くんも
実はプレ開催の時に風呂美に参加してくれたことがきっかけでギンガクや西和賀町に関わるようになり、
今では西和賀町の役場で働いています。本当にすごい。
(今年度はまた活動場所を新たに【放課後のちいさな芸術家】も活動を進めるようです。続報を待たれたし!)


こんなことを書くと「ギンガクは就活にも使えます!」みたいに聞こえるかもしれませんが、
企画担当者の私がまだ学部4年生なので、正直に言って箔がつくような企画ではないと思います。
しかし、とにかく町の立場も、学生の立場も、あるいは今美術の界隈で起こっていること、地域振興として行われていること
色んなことを考えてディスカッションし、企画を立ち上げ、色んな人と関わりながら企画を進めていきます。
学生のあいだに、学外で…教育機関の外で(←これは結構重要かも)はじめからおわりまで関われるプロジェクトはあんまりないんじゃないかな。
そういう意味でおおきな意味を持ち、たくさんトライできる機会だと思います。

地域振興に興味がある。
企画をつくることに興味がある。
参加者としてだけではなく、制作としても関わってみたい。
そんな人も募集中です。


【お申込・お問合せ】
 ギンガク制作委員会mail : nishiwaga.SDF/gmail.com(/を@に変えてご送信ください)
 電話:080-5564-5798 (担当:染谷)

企画委員twitterもあります。チェックしてね!


大変長くなりましたね。。。ここまで読んでくれてありがとうございました。
これから開催までまたぽつぽつと記事を書いてまいりますので、どうぞよろしくお願いします〜!
染谷でした。またね。